遺言とは

遺言は(ゆいごん)か(いごん)か?

日常用語としては(ゆいごん)と読まれることが多く、形式や内容にかかわらず故人が自らの死後に残された家族等に伝える広い意味合いを持つ最後の言葉をいいます。

一方の遺言(いごん)は被相続人となる人が、自らの死後の法律関係を定める為の最後の意思表示のことをいい、法的拘束力があることから遺言の内容は法律(民法960条)で「遺言は、この法律に定める方式に従わなければ、することができない。」と厳格に定められています。
つまり、法定事項を書き記したものが「遺言書」ということになります。

あくまでもイメージですが、(ゆいごん)は亡くなる方が今際の際(いまわのきわ)で(息子夫婦に)「これからも夫婦で仲良くな」(孫に)「元気に大きくなって欲しい」という法的な拘束力を持たない言葉で、(いごん)は「自宅は長男に相続させる」「預金は次男に相続させる」という財産の処分や分配に関する法的な拘束力を持つ言葉だといえます。

相続問題と遺言書について

遺言書が無い場合には、被相続人(亡くなった方)の遺産は、相続人間の話し合い(遺産分割協議)か、または法定相続分によって配分を決めることとなります。
相続人間で円満に話し合いが行われたり、相続人全員が法定相続分での配分に納得すれば何も問題は生じませんが、相続人間での利害関係が激しくなると最終的には家庭裁判所に対して遺産分割調停(審判)を申し立てることとなり、【相続問題】が【争族問題】となってしまいます。

民法第964条で、遺言者は、包括又は特定の名義で、その財産の全部又は一部を処分することができる。とされていますので、遺言者の最終意思が最優先とされていることから、遺言書の内容が遺産分割協議や法定相続割合に優先することになりますので、遺留分に配慮する必要はあるものの遺言書を作成することは、争族を予防する手段として有効であるといえます。
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